*蒼空色Diary*


「よかったのかなぁ手続きとか。
あんまり挨拶できなかったし」


本部の建物を出て学園の敷地内を3人で歩く。



あたしの呟きに、由里亜はくるりと振り返った。


「手続きっていっても、書類の確認とか名前書いたりとかでしょ?
だから明日でも十分なんじゃない?

それに、今日はお祖父ちゃん見なきゃいけないテレビがあるからさ…」


「見なきゃいけないテレビ?」



ユアンが聞くと、由里亜は少しだけ苦笑した。



「昼に再放送してるドラマ。あたしが見てたのお祖父ちゃんハマったの。だから今きっとそれ見てる。なんかゴメンね」



「ドラマ……」


なんか、想像つかないな


あの由里亜のお祖父様がドラマ…



由里亜のお祖父様がドラマを見ながら盛り上がっている姿を想像していたあたしは


またもユアンの背中に顔をぶつけるハメになった。



「…っぶ!!!!」


「…またかよ」


「だってユアンがっ」


「2人とも仲良いねー。さ、ここが中等部の寮棟だよっ」


由里亜に言われ見上げると、これまた赤茶レンガの建物。


でも本部とちがって左右対称だし、窓もいっぱいある。


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