月の衣
月に依る
月の衣
夜の静寂がおりて
静かに月光が道を照らす
なにものにも代えがたき
そのものを失いし日
優しい月の衣が
我が肌を包む
音もなく
予言も、ためらいもなく
確かにそれは降りてくる
いつにも増して光り輝き
いつにも増して、それは冷たい
ただ肌を照らす月光の
想いは深く
ほの白く、かすかに明るい
その果てには
ただ一人、夜に抱かれた哀しみの人
夜の静寂がおりて
静かに月光が道を照らす
そして、なんと優しい月の衣よ
今、逃げはしない
だからどうか、我が肌を静かに包め