to dreamer


長年、幼なじみという立場で身につけた、数少ない知恵。



「陽(ヨウ)に言われるとおめ〜。」


「陽くん、正論しか言わないからさ。」



ははっ、と軽く笑い飛ばしながら陸が言うと、フォローするかのように、鞘もにっこり微笑んだ。


これで、一件落着、いつもの午後に戻った。


俺らの午後は至って普通で、屋上の入り口がある建物の端で、弁当食いながら、まったり。


鞘以外は、建物と屋上を囲む柵の間に隠れるように座って、鞘だけ建物の上でうつぶせに寝そべり、俺らを見下ろしている。


いつもの光景、いつもの場所。


ちょっとトラブったものの、別に変わりない、いつものメンツ。



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