嘘つきな唇
「珍しいですね…社長自らお迎えなんて…」

顔を向けず目線だけをむける愛…。


「大事な撮影だからね…
わが社の新イメージキャラクターのお姫様を迎えに来るのは当然でしょう?」

楓はそう言うと愛の髪をクルクルと指で弄ぶ…。


愛は楓の言葉を聞き流しながら窓の外を見る…。

――私はこの男に拾われたのだから…


しばらくすると車は止まり撮影所に入って行く。
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