都の春
『似合うではないか。
綺麗だ』
先ほどまでは、神隠しに遭った事で頭が一杯どしたけど、この『お方様』??と呼ばれている人はかなり、イケメン!
うちは、顔が真っ赤どした。
「おおきに…」
お方様??は上から、うちをまじまじと見た後
『では、参るぞ』と言わはりました。
後ろに黙ってついて行くと、立派な輿があり、お屋敷の全貌も見えました。
「お屋敷…
とても綺麗どすね」
気がついたら、うちはそう言っとりました。
お方様??は…
『そうか?
普通だ』
コレが普通なら、うちの屋形(舞妓が住む家のような所)はどないなるのやろ?
なんて思いながら、輿に乗りました。
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