都の春
『そなたの生きておる時代は、皆幸せか?』
なんやら難しいお顔をして、うちに尋ねはります。
うちは…
「少なくても、日本は幸せでごさいます。
うちも、飢えることなく暮らしとりますし、日本は豊かどす…」
『そうか…
話が替わるが、、、
俺を「宮さん」と呼ぶんなら、俺はお前を何と呼べばいいんだ?』
「琴春とお呼び下さい。」
『それは、真名か?』
「真名とはなんどすか?」
『まことの名前…
そういう意味だ。』
「いいえ…
『琴春』は舞妓になるときに、屋形のお母さんが付けてくれはった名前どす。
真名…
本名は…
山崎春菜と申します」
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