都の春
『春菜。
輿の外を見てみよ・・・』
「えっ......!」
餓えた人々が横たわり、貧富の差は歴然と、しとります。
「なんでどすか?
宮中はあんなにも綺麗どすのに!!」
『春菜…
そなたの生きている時代は、誰も餓えはしていない。。そう言ったな!
しかし…
この平安の世は違う。
一部の貴人以外は皆、貧しく、その日の暮らしもままならぬ…』
「なんで、宮さんはうちの真名を尋ねはったんどすか?」
『そなたから、強い「気」を感じたからだ…』
「『気』??」
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