都の春






『俺は一生、妻は娶れない。



だが、お前を好いている』







「なら、何で宮さんはお寂しそうなんどす?


好いている人の前なら、うちは…


ウキウキしますえ」









『ウキウキ?

どういう意味だ??』





「嬉しくなるという事どす。


宮さんは、うちを好いているんやのうて…



うちを通して誰かを見てはるんと違いますか?」





『なぜそう思う?』













「うちが、そんな風に、見たことがあるからどす。



大好きな人に似てたから、好きになった…


って思い込んだ事が」







.
< 32 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop