都の春
「うちは、舞のお師匠さんに『お止め』つまり、破門や言われて…
お稽古を見てもらえなくなったんどす。
それを悩んどりました」
『そうか……
ならば、今から輿に乗り、俺が都を案内してやる。
お前も、お前付きの女房に着物を新しくしてもらえ』
「うちはこのままで大丈夫どす。」
『いや…
俺と一緒に来るなら、相応の身形が必要だ。
文句を言わずに、着替えさしてもらって来い』
強い口調で言われたのでうちは…
「へぇ。
わかりました」 と言うよりありませんどした。
.