都の春
なんやわからん間に、立派なお屋敷の別棟に通され、局(宮中などの建物に見られる部屋)らしき所に入れられました。
「うちは、今からどないなるんどすか?」
『私どもには、分かりませぬ。
申し訳ございません。
さぁ、こちらのお召し物をどうぞ…』
うちは、訳が分からないまま、女房に綺麗な着物を着せられました。
『お方様がお待ちです』
着物を着たと思えば、そう言われ、先ほどの場所に連れて行かれました。
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