都の春
私はまず、屋敷の女房を騙す事から始めた。
「…少納言…
なんだか頭が痛い
……尋常ではない」
《権中納言様!
大丈夫でございますか!
医者に連絡を》
「待て!!
陰陽師の木部誠涼を呼んで占わせよ」
《わかりました》
ちなみに、木部誠涼は私の親友であり、陰陽師を司る木部家の当主である。
春香との事も、誠涼は占いで当てて知っている。
三時間後。。。
《権中納言様。
木部誠涼様がお越しになりました》
「人払いを」
私は女房に退席を求めた。
「誠涼。
お前に頼みがある」
『今日の仕事は占いではないんだろ?』
「お前に嘘をついて欲しい」
『どういう事だ?』
誠涼は落ち着いている。
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