都の春
《わかりました。
権中納言様は浅川宮家の次期当主です。
今、権中納言様に亡くなられたら…
内大臣様は…
すぐに御祈祷の用意を致します。
権中納言様は、身を清めるために、あのお方様を遠ざけて下さいませ》
「それは…
私から彼女をとることは出来ない。
今一度、人払いをして彼女を呼んでくれ」
《わかりました。
呼んで参ります。
内大臣様にもご連絡を入れます。
よろしいですね?》
「よろしく頼む」
《かしこまりました》
少納言が去った後…
『巧くやれよ』
「ありがとう。
誠涼が友で良かった」
『礼ならいらない。
お前を笑えるようにしてくれた女人のためだ。
また後ほど』
誠涼はいい男だ
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