恋に恋してる
苦しくて
煮え切らない心は
ほんとにわがままだなって
思いながら、
ライブハウスに向かった。


今日はあのバンドを見るために、
階段を降りると店長がちょうどいた。

店長は深くなった皺を私に見せた。


お客さんの人数は全くだった。
今日出るバンドの人がいくつか居たけれど、誰があのバンドの人なのか薄暗いハコの中では見つけられなかった。




ドキドキしてタバコの量が増え
落ち着きがなく
緊張した。



私はついに
あのバンドに巡り合えたのは
6本目のタバコに火を点けた瞬間だった。






照明が当たる

スモークがたかれて光が充満する

独特の匂い


チューニングの音

アンプの細かい囁き

マイク越しの声






夢だと思った。
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