恋に恋してる
高倉まり、21歳、専門通いの就活生
そう言うと男はニッと笑った。私の学生証を持っていた。
私に返すと続けて言った。


内定はもらえず遂に60社目。ついでにアルバイトも採用されず、3ヶ月

ちょっ!なんでそんなことまで知っているの?

彼氏は1年不在中ー…
そう笑った男が憎くなって今日はとことん落ち込もうと思った。

・・・私が昨日言ったわけだ?

男はにっこり笑って頷いた。以後気をつけよう。まぢで謎な男だ。

もう、忘れてください。お願いします

忘れられないよ。まりちゃん?


お待たせしましたー。と笑顔のウエイトレスがプレートを置いた。


はあ、もういいや!
と開き直って食べ始めた。

まりはいさぎいいね、思った通りだよ。
と肝心しながらフォークを取った。

ありがと、呼び捨てやめてくれる?
口に放り込むサラダたち。

やめないよ
目玉焼きを突いた。

まあ、いいよ。だってもう、会わないもん。何を知られたっていいわ
それで終わると思っていたのに。



いや、まりには今日仕事を頼みたく来たんだ
そう言うとパンを噛じった。

えっ?仕事?

そう、アルバイト。探してるだろ?

でも…
この男は一体なにものなのだ。
私、売られるのかな…。汗がにじみ出た。

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