恋に恋してる
へっ?
振り替えると執事の谷田さんが居た。

スリッパ!!靴をお忘れですよ〜!そう言って追い掛けてきた。

玄関で靴を脱ぐ家ではなかったので、すっかり忘れていた。
しまった、という顔をして笑顔で感謝した。

お送りしますよ、と笑顔で言われ、扉をもう一度開けた。

いや、歩いていきますよ!私なんか此処の家の人じゃないしっ
急いで靴を履く。

谷田さんはシワに辿るように優しく笑った。
大切なお客様ですよ。と淡い声で聞こえた。
それと、寄ってほしいところがあるのです。

そう言うと車に押し込まれ
待ち合わせ場所まで到着したものの、夕方には寄ってほしいところに連れていかれた。

そこはエステサロンやネイルサロンだった。初めてだったし、私なんか行ったら軽蔑されそうで緊張した。
商売とは魔法だ。皆笑顔で優しく接する。少し怖くなった。
悪いもの全てとられたように、綺麗にしてもらい、
家路に着いた。



今日はゆっくり眠れそうだった

目を閉じた







ゆっくり眠りすぎた。
昼の12時。

洗面所に向かって顔を洗った。
お手伝いさんが横切って挨拶をしてくれた

ここで働いている人は何故にこんなに笑顔なのだろうか

無理な笑顔じゃなくて、それはプロに近い笑顔だった。
ボーっとしてると友里菜さんも洗面所に足を踏み入れ、明るく挨拶をした。
私は恐縮して身を縮ませながら挨拶をして端にずれた。

髪をブラシでとかしながら世間話をした

まりさん、お勧めのアーティストさんっている?

私が音楽関連の専門に行っていることは知っているようだった。
あ、はい。えーと、昨日は洋楽を聴いてました・・・・・・・

音楽の話を興味津津に聞いていた友里菜さんは
素直で無邪気な何処にでもいる女性だった。

川上が惚れるのも…というか川上がよくこんな綺麗な人と結婚できたなと思った。
そして川上を誘って一夜過ごした私は重い嫌悪に押されて
肺が破裂しそうだった。

夕方になって一度川上は帰ってきた。
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