恋に恋してる
お手伝いさんにヘアをやってもらった。なんでもできるんだ…
そのプロ意識に度肝を抜かれ、私も手に職をつけようかななんて考えていた。
部屋に1人になったとき鏡の前で化粧直しをしていると
扉をノックする音が聞こえた。

扉を開けると川上が立っていた。

も、もう時間だった!?ごめん!すぐいく!!
焦るあまりまたスリッパで出そうになった。

お前さ、落ちつけよ。まだ時間じゃないし、ただ用があっただけだよ
そう言うと意地悪な笑みを浮かべた。
座って、と鏡の前に座らされた。

焦るさ、前代未聞の経験を今からするんだから
ちょっと拗ねてる自分の顔は見たくなかったから下を向いた。

ジャーンという声に反応して上を見た。
きらきら輝くネックレスとピアスが入った箱を開いていた
とても綺麗でほえーと声が出るほど見とれてしまった。

あげるわけじゃねぞ。今日、お前の為に貸りてきた

ネックレスを後ろから付けてくれた
心臓の音、聞こえてないよね?絶対ばれてないよね?

肩に手を置かれてびくっとした。
耳元で川上は呟いた

綺麗だよ


何か企んでる?震える声を抑えて言った。

そんなくだらねぇ質問しねぇでありがとうだろ?

正論だった。

照れながら言った


ありがとう。


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