恋に恋してる
それから時は過ぎ、2か月経った10月。
季節は秋に変わろうとしていた。

家の近くの喫茶店に入ると
まだ冷房が効いてて寒かったので、ホットコーヒーを頼んだ。
その店にはファッション雑誌やら、週刊誌やらが置かれていて自由に読むことが出来た。
庶民的な店だ。
私の通っている大学ではないけれど、近くに大学があるのでその生徒が多いように
見受けられた。

コーヒーが届くと、入口側の席がガタっと椅子を鳴らした。
その女性は迷わず近くのカップルの傍に来て何かを言っていた。
カップルの女の子は金髪で下品なかんじだった。
知り合いだったのか、と思いそのもっと奥の週刊誌に目をやった。

見覚えのある名前を見つけてしまった。

その週刊誌を手にとって席に戻る


「本田友里菜熱愛発覚!!!!」
と表紙にでかでかと書いてあった。
やっと結婚発表ですか、と思いページを開いた。



私は目を疑った。

名前が違った。川上勇人ではなかった。
写真も載っていたけど鮮明じゃなくて、なんだかよくわからなかった。


私、本当の夢を見ていたのだろうか?
本当は実在しない
架空の人を作り出して
恋をしていたのだろうか?

自分が怖くなって急いで家に帰った。
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