荊姫~第二章~
「黙れよ、てめぇは俺達にとって邪魔だからだ……ユキは俺達にとって必要な存在なんだよ」

「裂……」

ユキは少し嬉しそうに裂を見た

だがエイラの顔は憎しみに満ち溢れた顔をした

「…どうして…」

エイラが低くぽつりと呟いた

「……どうして…お前が…」

「……なんだ…?」

裂は不思議そうにエイラを見ていたが

ユキは自分の頭のどこかで「危ない」と警報がなっているように聞こえた

「……っ」

ユキは何を思ったのか急に立ち上がって

懐に入っていた短剣を抜いた

「ユキ……?」

「……」

ユキは裂の呼びかけにも答えず

短剣の先をエイラに向けた
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