荊姫~第二章~
裂は自分を庇って傷を負ったんだ、と

「裂っ!!」

ユキは裂の背中を押さえて

出血を止めようとした

だが、出血は止まらない

「裂!!」

「ぅ……ゆ…き……」

ユキが泣き叫ぶように裂の名前を呼ぶと

裂は苦しそうに目を開けた

「裂っ!!」

「ユキ……怪我は……ない?」

ユキが「怪我はない」と答えると

安心した表情になった

「裂っ……ごめんなさい…ごめんなさい」

「ユキ………」

泣きながらユキは謝った

裂は起き上がりユキを宥めるように頭を撫でた
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