荊姫~第二章~
「おい、どこ行くんだ、誄華?」

紫恩が慌てて誄華の肩を掴んだ

「え、どこって……もちろん」

誄華は素晴らしい笑顔で振り返った

そして

「あのクソババアどものところに行って、地獄の底からも這い上がって来れないようにするんですよ」

いつものように笑顔とは真逆の言葉を言った

紫恩は誄華の笑顔に少し見惚れていたようだが

いつもの言葉を聞いた瞬間

顔を真っ青にして後ずさりした

「……どうするの、姉さん?」

「原形を留めないくらいにフルボッコにしてあげるのよ」

それを聞いた千沙とユキは苦笑いを浮かべ

紫恩は顔を引きつらせ

シンはのん気にあくびをしていた

「さぁ、行きましょう」

「いや、まてまてまて、お前、裂も殺す気かよ」

「裂殿は主を悲しませた罪で半殺s……説教するだけですよ」

「……今、半殺しって言おうとしたよな?」

ニコニコしている誄華に紫恩は恐る恐るつっこんだ

「いえ、そんなことありませんよ」

「いや、今絶対言おうとs」

「そんなことないじゃないですか、紫恩『さん』」

「デスヨネー」

紫恩は完璧に縮こまっていた

使えない野郎だ←←
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