荊姫~第二章~
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「ゼェ…ゼェ……みんな、大丈夫か?」

「何とか……」

今ユキたちはシェアル国を出てすぐの森にいた

あの後何とか逃げたが、数分後にまた見つかり、二十分くらい走り回るはめになっていた

「お前情けねぇな、こんなんでへばるなんてよ」

その場に座り込んで肩で息をしている紫恩に

シンがからかうかのように話しかけた

「う…うるせぇよ……普通なら…二十分間走ったら……へばるだろうが」

「ハァハァ……し、紫恩の意見に…賛成……」

「なんだ、お前もかユキ」

「あ…あんたは、精神体を具現化してるだけだから……楽なだけっ!!」

ユキが軽く睨むとシンは肩をすくめた

「……主、どうなさいますか?」

「……これはもう、行くっきゃないでしょ」

ユキは少し息を整えて仕方なさそうに言った
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