荊姫~第二章~
「で、どこなの?」

ユキがそう聞くと

二人は後ろを見た

「「「?」」」

ユキたちもつられてそっちを見た

「…あそこに見える屋敷みたいなところだ」

シンが指差した先には

屋敷らしき建物の入り口が少し見えていた

「え……あそこ?」

「…近くないか?」

「多分、カモフラージュだと思うぜ」

「「……え?」」

シンがそう言うとユキと紫恩は間の抜けた顔をした

「遠くに逃げたと思わせて、実は近くに逃げてたってことだよ」

「そのことを隠すために転送魔法を使ったかと…」

「……転送魔法を使って遠くに逃げたという先入観を与えたってこと?」

ユキが聞くとシンは頷いた

「そういうことか…」

「…誄華」

なるほど、と感心している紫恩をよそに

ユキは誄華を呼んだ
< 158 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop