荊姫~第二章~
「ここに」

誄華はサッとユキの横に跪いた

「「!?」」

「……はぁ」

紫恩と千沙は驚いて固まり

シンは呆れたようにため息を吐いた

「……行くよ」

「はい、主」

「…っ、ま、待てよ、どこに行くんだよお前ら!!」

スタスタと歩き出すユキとそれに続く誄華を見て

紫恩は我に返り二人を呼び止めた

「どこって…」

「もちろん…」

「「あの腐った馬鹿共から裂を助けに」」

二人は振り返って真っ黒な笑顔で言った

黒すぎて後ろに鬼が見えるほどだ

そして再び歩き出した

「……そ、そうスか」

紫恩は冷や汗をかきながら後退りしていた

だが

ガシッ

「ほら、行くぜ」

「ちょ、離せよシン!!」

シンに襟首を掴まれ

そのまま引きずっていかれた
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