荊姫~第二章~
「……んで」

俺は、ポツリと呟いた

「何で……痛むんだよ」

裂には分からなかった

己の気持ちが

ユキの記憶から自分が消えてしまい悲しんでいる自分が

「なんで……忘れちまうんだよっ」

俺は、掌に爪が食い込むほど

強く、強く手を握った

寂しくて、悲しくて

悔しくて、苦しくて……

もう、全てがグチャグチャになっていた
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