荊姫~第二章~
「ユキの記憶が消えるのを………阻止できなかった自分に……すっげぇ腹が立って……」

話しているうちに、いろいろな感情がまたゴチャゴチャしてきて

無意識に自分の手を力いっぱい握った

「………でも、それ以上に……っ」

溢れそうになる気持ちを抑えながら

俺は呟いた

「……ユキの記憶から………俺が消えたのが、一番悲しくて…っ」

來菜は俺のその言葉を聴いた瞬間

目を見開いて、固まった

俺はそれに気付かず

話し続けた
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