荊姫~第二章~
「「………」」

紫苑も誄華も固まって、呆然とこっちを見ている

「…あ、あの!!歩けますから、おろして下さい」

「ダメだ、宿に着くまで我慢しろ」

裂におろしてもらおうとしても

ダメと言われた

「……っお、おい、裂!!ユキが心配なのは分かるが、何も横抱きにしなくても…」

紫苑がハッと我に返り、裂を説得していた

しかし裂は、おろそうとしない

「……裂殿、主をおろしてください」

誄華が静かに言った

「……嫌だ」

「……何故ですか?」

誄華は何かを探るように裂を睨んだ
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