荊姫~第二章~
「……むぅ」

私は少し悔しかったけど

どうせおろされても歩けないから

大人しくすることにした

「見て見て、あれ、裂様じゃない?」

「あら本当、この間も隣国との争いに勝たれたと聞きましたわ」

「でも、あの女は誰?」

「裂様に横抱きなんて……」

裂は有名な人物のようで

女の人の視線が私と裂に集中した

「(視線が痛い………けど、裂がおろしてくれないし…)」

そんなことを考えていると

自分の瞼が重くなっているのを感じた
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