my Sweet Cat...《短編・完結》
「じゃ、お疲れ」
「最近定時に帰るね、お疲れ」
いつも残業して帰る俺に同期の社員が珍しいと言うのを聞き流しながら、そそくさと会社を後にした。
駅に着き、改札を出る。
帰宅ラッシュで人が行き交う中、駅ビルのショーウインドーに目が止まった。
マネキンが着ている、真っ白のワンピース。
パフスリーブ、レースにリボン。
浮かぶ、彼女の笑顔。
「ありがとうございました」
不思議だよな。
友香と付き合っているにも関わらず、昨日出会ったばかりの彼女に惹かれている。
早く、喜んだ顔が見たい。
絶対、君なら似合うから。
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