my Sweet Cat...《短編・完結》
「恭一?」
聞き覚えのある声が、俺を呼んだ。
「恭一、ちょっと何してんのよ?!」
肩を掴まれて、振り返ると友香が青い顔で立っていた。
「友香…」
「誰この女?!熱があるんじゃなかったの?!」
ぎゃんぎゃんと犬のように騒ぎ立てる彼女の背後に、男の姿が見える。
「…ごめん。俺達、別れよう」
薄々気付いていた。
友香には他に男がいるって。
友香はみいこをきつく睨みつけ、男の腕を引き行ってしまう。
“次俺と付き合ってよ”
と笑う男の声が、風に乗って耳に届いた。
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