星の至宝〜神々の唄〜
「とりあえず泊まるところを探さなければならないが…この様子だと宿も閉まっていそうだな」



考えるときの癖で、顎へ手を持っていくお師匠様を見ながら、マリーは普段のお師匠様であることに安堵した。


帝国の兵士たちによる急襲と、お師匠様の平素見られない様子に動揺していたマリーだったが、ゆっくりと馬に揺られるうちに、その動揺もおさまっていた。


そして、今お師匠様の見慣れた癖を見ているうちに、お師匠様はお師匠様だと思えるようになった。



「誰か人に聞ければいいんですけどね」



マリーのその言葉に「そうだな…」と考え込んだシリウスだったが、何かを思いついたらしく、



「よし、マリー馬に乗りなさい」



と街中を歩くために降りていた馬に再びマリーと自分を乗せ、どこかへと向かいだした。


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