星の至宝〜神々の唄〜
銀色の髪をなびかせ、木々の間から出てきたお師匠様に、マリーは全く気づかなかった。



「誰かいるとは思っていましたが。そうですか、あなたがマリーのお師匠様でしたか」



そう楽しそうに笑うカイに、



「さすが、王弟殿下は違いますね。優れた武人という噂は本当のようだ」



といったお師匠様の言葉に、マリーはびくっと肩を揺らした。


王弟…殿下?


あの食堂での様子から、偉い立場の人だとは思っていたが。王弟殿下?


王弟殿下といえば、マリーも話しに聞いたことがある。あの闘王の再来とも謳われる、東領の領主だ。


マリーの呆然とした様子に、カイは少し気まずい思いで「黙っていてすまなかった」と言った。
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