星の至宝〜神々の唄〜
「それにしても、兄上。何か気になることがあってこちらへ来られたのでしょう?」
金の頭と黒の頭を並べる二人の間に、風が吹き抜けていく。
「兄上は、よく城を抜け出しますが、それには必ず理由があった。今回はなんです?」
この兄は、自分とは正反対の綺麗なといっていい容貌をもっているが、その中は計り知れないくらいさまざまなことを考えていることをカイは知っている。
一見人当たりがよさそうで、一枚の壁を周りとの間に立て、冷静に物事を考えることで、この若さで一国の主としての勤めを果たしてきたのだ。
「まあな。どうも、帝国の動きが気になるのだ。巫女たちも、不吉な何かを感じ取っているようであったしな」
そう語る兄の姿は、さきほどまでとは打って変わって真剣だった。
神殿の巫女たちは、国王直属の組織となっており、星や大地の気を感じ取ることで、この世の動きをよみとる。
神殿の権威が高まりすぎて国王の権力を脅かすことのないよう、その位置づけは国王の下位であると明確にされていた。
金の頭と黒の頭を並べる二人の間に、風が吹き抜けていく。
「兄上は、よく城を抜け出しますが、それには必ず理由があった。今回はなんです?」
この兄は、自分とは正反対の綺麗なといっていい容貌をもっているが、その中は計り知れないくらいさまざまなことを考えていることをカイは知っている。
一見人当たりがよさそうで、一枚の壁を周りとの間に立て、冷静に物事を考えることで、この若さで一国の主としての勤めを果たしてきたのだ。
「まあな。どうも、帝国の動きが気になるのだ。巫女たちも、不吉な何かを感じ取っているようであったしな」
そう語る兄の姿は、さきほどまでとは打って変わって真剣だった。
神殿の巫女たちは、国王直属の組織となっており、星や大地の気を感じ取ることで、この世の動きをよみとる。
神殿の権威が高まりすぎて国王の権力を脅かすことのないよう、その位置づけは国王の下位であると明確にされていた。