星の至宝〜神々の唄〜
それからは、ぽつぽつとお互いの日常を話し合った。
「給仕長がまたおいしいワインを手に入れたらしい」
「料理長が新しいお菓子を考案して、どうもそれが女たちに受けているらしい」
「門兵のディミトリという男が彼女に振られたらしい」
など、兄から出てくる話は噂話だけであったが。
こうして何気ない話をしていると、カイは束の間、肩から力が抜けていくのを感じた。
互いのことを話し尽くし、気詰まりではない沈黙が辺りを支配していた。
「さてと…」
兄がそういいながら立ち上がるのをカイは黙ってみていた。
「そろそろ城に帰ることにするか」
うんっと背伸びをしつつそう言った兄に、カイは「そうですか」とだけ声をかけた。
「給仕長がまたおいしいワインを手に入れたらしい」
「料理長が新しいお菓子を考案して、どうもそれが女たちに受けているらしい」
「門兵のディミトリという男が彼女に振られたらしい」
など、兄から出てくる話は噂話だけであったが。
こうして何気ない話をしていると、カイは束の間、肩から力が抜けていくのを感じた。
互いのことを話し尽くし、気詰まりではない沈黙が辺りを支配していた。
「さてと…」
兄がそういいながら立ち上がるのをカイは黙ってみていた。
「そろそろ城に帰ることにするか」
うんっと背伸びをしつつそう言った兄に、カイは「そうですか」とだけ声をかけた。