Chocolate ~ come true ~
『ううん…』

あたしがこたえると、蓮は背中の後ろにあたしを隠し、


『何ですか?』

今度は、おじさんに尋ねた。


『私は後ろの子に用があったんだけどな。』

困ったような様子で、こちらを見ていた。



『な…何か?』

あたしが横から顔を出すと、


『君は旅人じゃないね?』

おじさんは真剣な顔をした。



『あ…はい。旅人ではなかったです。まぁ…今は旅人ですけど?』


この人はいったい何が言いたいの?

今度は、あたしが困って聞き返した。



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