+ missing-link +
「ねえ・・?
あのコ、Siaってコじゃない?」

「ホントだ、
お葬式の帰りか何か??」


声がする・・、

たった一瞬も消えない、
雑踏を行き交う人たちの声・・。

もう、どうでもいい・・。



「キャー!! アレ!」

「えー! マジ?
何でこんなトコ歩いてんの?」



黄色い声が五月蝿い。
立ち止まる気配・・香りで直ぐ解る。

きっと・・お葬式の後、
見張られてたんだ。


どうして・・
ヒトリにして貰えないんです?


「いつまで・・
そこで蹲ってるつもり?」


ずっと・・

雪が降る季節を
此処で待ったっていい。




「彼女が云ってたよ・・?
悔しいけど、彼はいつも
シアが出てるCM見てさ、
目を細めてたんだって・・。」


「・・・・・そんなの嘘」


「嘘なんかついてない・・。
それにね、お前がそんなんじゃ
彼、成仏できないよ?」

「・・・。」



浮かばれないのは
私も同じである。

彼女は妊娠など
していなかった。

嘘をつかれたまま・・
逝ってしまったのだから。





< 135 / 332 >

この作品をシェア

pagetop