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___嫌な予感通り、
彼女は
自宅マンションに戻っていた。
部屋に明かりを確認し、
ケータイで開錠するとドアを
弾き開け踊り込んだ。
「シアッ!!!」
男は・・宮田はリビングで
彼女に馬乗りになり、あの、
か細いシアの首を鶏か何かの
様に扱っているではないか。
首だけで持ち上げられた
彼女のダラリとぶら下がる腕。
それに
ゾッとしたのも束の間、
"殺ス!!"
本気でそう思った途端に
カァッと頭に血が昇った。
「ヒイッ」
誰かが部屋に入って来るとは
思いもしなかったのか、
即座に俺が部屋に上がり
込むと凍りついた顔で、
ぱっとシアを手放すのだ。
「貴様ぁっ!! どけっ!!」
膝蹴りで一発、立たせてから
もう一発殴ろうと声を上げた。
「恩田さん! シアがっ!!」
「シアさん・・!」
ドカッ!
殴って壁に吹っ飛んだ男を
うっちゃらかし、
頬だけが赤く腫れたシアに
既に意識も呼吸も無いのを
確かめ、応急処置を施した。
「29、30・・・・戻れ・・、
戻って来い、シア・・!!」
俺は必死で胸骨圧迫と
人口呼吸を続けて時々は声で
彼女を呼んだ。
「ダメだ・・! シア!
逝くな、戻って来いっ・・!」
傍らで、
専務が意識朦朧とした宮田を
急いで布のガムテープを使い、
ぐるぐる巻きにしている。
気が着いたら俺は・・
いつの間にか到着した
救急隊員らによって、
シアから引き離されていた。
「後は任せて下さい」
「・・AED(※)を!」
※AED
(自動体外式除細動器)
心臓に電気ショックを与え、
正常なリズムに
戻すための医療機器です。