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ひやりとした俺は慌てて
服を脱ぎ、ベッドに潜る。

体を抱き寄せればビリビリと
震えが伝わってくるのだ。


「シア・・? 」


意識はちゃんとある。
揺らすと目覚め、
弱々しい声で"寒い"と呟いた。

体温計をまた口に入れたら
エラーと云う文字が出た。

35℃以下になってるんだろう。
毛布の中なのに温もりがない。

マットのヒーターを少しだけ
上げ、向き合って抱いた。

どうしようもなく寒くて、
もごもごと胸に蹲ってくる。


「眠っても・・いい・・?」


彼女が訴える眠気にも、震えが
止まった事に逆に不安になった。

33~32℃になると
会話がのろくなり、
それ以下だとその内
応答できなくなると聞いた。


"眠らせるな"


その言葉にハッとなる。
そう云うことなのか・・?



「・・そうはいかないんだ。」

「・・・ん、」



折角着せたパジャマも、
全て取り去った。

シアは抵抗もせず
覆い被さろうとする俺を
黙って・・じっと見つめてる。

何も言わせなかったんだ・・。

ただその細い体を抱き、
愛おしくない部分がないと云う
ぐらいに愛撫して行く。

甘い呻き声、

感じて逃げ出したいのを必死で
堪えている、行き場のない
その手を握ってやりながら。

揺れて縺れ合い、繋がっている
場所へ彼女の手を誘った。

根元まで
入っているのが解ったんだろう。

キュ、と
彼女も何か感じたらしい。

手の平がぬるぬるした
その場所を
たどたどしく撫で摩ってる。


「う・・・、」


堪らない気持ちに上り詰め、
俺は更に彼女のナカで暴れた。


「・・・愛してる、俺には
一番しかいない・・!」

「あッ・・、ンッ、ンッ、
んッ、ンッぁあっ・・むぅ!」


苦しいほど唇を奪い続け、
お互いの舌を味わい続ける。

何度も押し捻られ、
俺に眺められながら
切ない声をあげ・・

シアは初めて何か生理的な
涙を流したのだと思う・・。

俺はそれを唇で掬い取り、
両手をがっちりと組み握る。


「一緒に」


迷いなんか何もなかった。




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