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民家の細い道へ逃げ込めば
もう追っては来られない。
ドキドキしながら
コテージの裏側から
こっそり戻って来た。
自意識過剰とかって思われる
のがとても恥かしいけど・・
念には念を、フロントに行って
ヒトツ訊ねてみようと決心する。
「あの・・・。」
「あぁ。結城さま、お帰りなさい。
お客様がお待ちになってますよ?」
「は?」
フロント横にあるリビングルーム。
そこをソオッと覗き込めば、
見覚えのないポッチャリ目の後姿。
クル!と、振り向いた
皺の深い笑顔に見覚えがあった。
「よぅ、親指姫。久しぶり。」
「あ・・・! お久しぶりです。
でも・・何でこんな所に?」
「事務所に聞いたンだよ。本人と
直接交渉しろって云われたんでね。」
「え・・!?」
事務所は居場所を知っていた・・?
嘘、なんで・・?
「ひょっとして、さっきのは監督?」
「ハハハっ。逃げやがったな! 」
拉致未遂された事があるので、
ああいうのが怖い。
それがただのマスコミでも怖いけど。
私が監督と呼んだのは・・
カイトさんのPVの時お世話になった、
映像作家でもあり、舞監でもある、
天美監督と云う強面なオジサマだった。
「ここじゃなんだ、甘い物でも
おごってあげるから、おいで。」
フロントに荷物を預けさせて
近くの喫茶店まで一緒に歩いた。
「此処のドラゴンフルーツの
パフェは最高に美味いんだよ。」
どうやら何度かいらしてる様だ。
煙草を手に火も着けないで、
私の顔をジィ~と凄く、見てる。
「交渉って・・なんですか?」
「これ、見て。」
監督がバッグから手渡したものは
ジュードさんが持って帰って来る
台本とよく似てる、いやその物か。
「ソウル・ブルー・・?」
「久々に一本撮りたくなってね。」
ネット・アイドルに恋をした青年の
少々イタイ、悲しい恋愛物語。
「その"あさぎ"って少女が誰か?
って云うと君ばかり浮かンでさ。」
「わ、私・・?」
浮かんだからナニ・・?
もう追っては来られない。
ドキドキしながら
コテージの裏側から
こっそり戻って来た。
自意識過剰とかって思われる
のがとても恥かしいけど・・
念には念を、フロントに行って
ヒトツ訊ねてみようと決心する。
「あの・・・。」
「あぁ。結城さま、お帰りなさい。
お客様がお待ちになってますよ?」
「は?」
フロント横にあるリビングルーム。
そこをソオッと覗き込めば、
見覚えのないポッチャリ目の後姿。
クル!と、振り向いた
皺の深い笑顔に見覚えがあった。
「よぅ、親指姫。久しぶり。」
「あ・・・! お久しぶりです。
でも・・何でこんな所に?」
「事務所に聞いたンだよ。本人と
直接交渉しろって云われたんでね。」
「え・・!?」
事務所は居場所を知っていた・・?
嘘、なんで・・?
「ひょっとして、さっきのは監督?」
「ハハハっ。逃げやがったな! 」
拉致未遂された事があるので、
ああいうのが怖い。
それがただのマスコミでも怖いけど。
私が監督と呼んだのは・・
カイトさんのPVの時お世話になった、
映像作家でもあり、舞監でもある、
天美監督と云う強面なオジサマだった。
「ここじゃなんだ、甘い物でも
おごってあげるから、おいで。」
フロントに荷物を預けさせて
近くの喫茶店まで一緒に歩いた。
「此処のドラゴンフルーツの
パフェは最高に美味いんだよ。」
どうやら何度かいらしてる様だ。
煙草を手に火も着けないで、
私の顔をジィ~と凄く、見てる。
「交渉って・・なんですか?」
「これ、見て。」
監督がバッグから手渡したものは
ジュードさんが持って帰って来る
台本とよく似てる、いやその物か。
「ソウル・ブルー・・?」
「久々に一本撮りたくなってね。」
ネット・アイドルに恋をした青年の
少々イタイ、悲しい恋愛物語。
「その"あさぎ"って少女が誰か?
って云うと君ばかり浮かンでさ。」
「わ、私・・?」
浮かんだからナニ・・?