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「厄払いして貰うといい。
そして何かの縁だと思って・・
新しい事にぶつかってごらん。」
「・・・・。」
考える暇など与えない、
"やります"と、返事すれば
いいだけだと・・監督は言う。
そう云った監督はその晩、
お祭りに連れて行ってくれた。
歩いてたパーントゥに"行け!"
と監督に背中を押され、
"お願いします"と
臭い泥を鼻の頭に着けて貰う私。
バックから顔を出すラフィにも
耳にちょっとだけ。
「これでもう大丈夫。
後は・・進むだけだろ?」
頬に泥を着けた監督は笑って
証拠写真を撮ってくれた。
確かに・・この時期に偶然、
宮古島に居て・・監督自らが
声を掛けに来てくれるなんて。
これは縁というより
本当に運命なのかもしれない。
今後の私を左右する、
大きな岐路に立たされている?
「失敗する事を考えてちゃ
ダメだぞ。折角の君の強運が
逃げちまうからね。」
引退を考えてたんだ。
考えてみれば例え失敗しても
怖いものなんか無い筈だ。
そう、それからの引退でも
けして遅くはない・・。
「私などでも・・ご指導して
頂いて構いませんか・・?」
「・・・・・、ヨシ!
明日、那覇に飛ぶから
荷物を纏めておきなさいよ。」
監督は一瞬安堵の表情を見せ、
大いに笑った。
私の肩をばんばん叩き、
ラフィの頭をグリグリと撫でて。