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「・・・。」
____ 車のドアを開け、
腰をトントン叩いてから
降り立つ私を・・
サングラスの奥で
ニヤニヤと横目で眺めてる。
「・・じゃっ、
今日もがんばってね。」
翌朝、車でスタジオまで
送って貰ったのだが・・。
「・・はい、あッ」
丁度その時、
主役の栗田さんが手を振って
ニコニコ笑いながら、
こちらに走り寄ってきた。
「おはよーう、昨日はゴメン
ね? シーちゃ・・ウワッッ!」
「おはよお。栗田君ッ・・!」
速ッ・・!
運転席のドアがスパーン!と、
開いたと思ったら。
ジュードさんはもう!
彼の目前に立ちはだかり、
自分より背の低い栗田さんに
ジリリとにじり寄って
威圧し出したではないか。
「あ・・、いやあ・・・あぁ、
ホント・・御免なさいッ!」
「・・・・・・優しく扱え?」
「ハイっ!」
あんなにズイズイと迫って
影作って。
やくざな・・私でも怖い。
サングラスから吊上がる
片眉毛がいつもより更に鋭角だ。
「カイトにもヨロシク!
云っといてね・・。」
「え、・・ええ。」
彼とて遊んでるヒマはない。
脅すだけ脅して車に乗って行った。
「ごめんなさい」
「怒られるのも仕方ない。
本当にごめんね。」
「いいんです、
遠慮しないで下さい。」
彼と一緒に話しながら
スタジオまで歩きだす。
若手役者でも実力派の彼は
天美監督のお気に入りだった。
りりしい顔つきをした青年で
最近は
時代劇の映画にも出演していた。
「ペースの速い
撮影スケジュールだし、
かなりしんどいでしょ?」
「いえ・・大丈夫です。
話は聞いていましたから。」
監督はいつもご多忙だ。
"1ヶ月の目標で"
だから
朝から晩まで撮っている。
この撮影が終ったら
どうしよう?
それは不安ではなく。
"何をしよう?"ってノリだ。
私は意外にも心静かだった。
この役で、この映画で
失敗してもダメで元々なのだと。
「もう直ぐ・・
クランク・アップですね・・。」
____ 車のドアを開け、
腰をトントン叩いてから
降り立つ私を・・
サングラスの奥で
ニヤニヤと横目で眺めてる。
「・・じゃっ、
今日もがんばってね。」
翌朝、車でスタジオまで
送って貰ったのだが・・。
「・・はい、あッ」
丁度その時、
主役の栗田さんが手を振って
ニコニコ笑いながら、
こちらに走り寄ってきた。
「おはよーう、昨日はゴメン
ね? シーちゃ・・ウワッッ!」
「おはよお。栗田君ッ・・!」
速ッ・・!
運転席のドアがスパーン!と、
開いたと思ったら。
ジュードさんはもう!
彼の目前に立ちはだかり、
自分より背の低い栗田さんに
ジリリとにじり寄って
威圧し出したではないか。
「あ・・、いやあ・・・あぁ、
ホント・・御免なさいッ!」
「・・・・・・優しく扱え?」
「ハイっ!」
あんなにズイズイと迫って
影作って。
やくざな・・私でも怖い。
サングラスから吊上がる
片眉毛がいつもより更に鋭角だ。
「カイトにもヨロシク!
云っといてね・・。」
「え、・・ええ。」
彼とて遊んでるヒマはない。
脅すだけ脅して車に乗って行った。
「ごめんなさい」
「怒られるのも仕方ない。
本当にごめんね。」
「いいんです、
遠慮しないで下さい。」
彼と一緒に話しながら
スタジオまで歩きだす。
若手役者でも実力派の彼は
天美監督のお気に入りだった。
りりしい顔つきをした青年で
最近は
時代劇の映画にも出演していた。
「ペースの速い
撮影スケジュールだし、
かなりしんどいでしょ?」
「いえ・・大丈夫です。
話は聞いていましたから。」
監督はいつもご多忙だ。
"1ヶ月の目標で"
だから
朝から晩まで撮っている。
この撮影が終ったら
どうしよう?
それは不安ではなく。
"何をしよう?"ってノリだ。
私は意外にも心静かだった。
この役で、この映画で
失敗してもダメで元々なのだと。
「もう直ぐ・・
クランク・アップですね・・。」