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俺は撮影終了の様子を
ネット上の写真で観ていた。

そして各メディアの反応は。


『久々に、
"もう一度ラストを観たい"と
思った作品に出会った』

『解けて消えそうな儚い少女を
視線と呼吸で演じた女優がいる。
彼女を"新人"と侮るなかれ』


天美総監督が三年振りに撮った
映画の評判は海外のマスコミに
かなり高い評価を受けている。

ドイツ映画祭の
日本からの出品は一作品だけ。

最後の有力候補だと書いてある。

海外と云えば・・

俺も最近知ったのだが、
海外のOTAKU(ヲタク)達に
Siaは良く知られているらしい。

カリスマ的な
日本のフィギュア作家が
彼女をモデルにしたと云われる
フィギュアを
ネット上で発表したからだった。

(ただし、試作品の非売品。)

そう云えば・・以前、
ヨメ(フィギュア)にしたい
タレントの一位に選ばれてたっけ。

そしてそして。
一般公開はまだ先だが、
俺の手元には一枚のDVDディスク。

シアが此方に送ってくれた物だ。

今年は韓国のホテルの最上階の
部屋でイヴを迎えている。



「あっ、酒もうないよ?」

「ダメじゃん、それ俺の!」

「ねえ、それ早く観ようよ~。」


ただし、1人じゃない。


「・・・・静かに。」


二日目のコンサートを終えて
こっそりコレを1人で観ようと
思ってたのに・・・

酒持参でメンバーとサクヤに
部屋に乱入されてしまったのだ。



「「「「 ・・・。」」」」



DVDを入れると
皆も後ろに下がった。

さすがは映像作家・・。

蒼い映像と、
マイク・ナイジェルのピアノから
"ソウル・ブルー"は始まる。

本編が始まっておよそ10分後・・

俺はムンクの"叫び"の後、
部屋で
皆に押さえ付けられていた。


「・・誰がお肌に
キスしていいって言ったンだ!!」


「「「 シィーッ、静かに! 」」」





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