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「ごめんなさい、嬉しくて。
あの・・私と・・
握手して頂けませんか・・?」
「よ!?・・喜んで・・!!」
フェンス向こうに出て行って
めいいっぱい握手したら、
2人とも凄く喜んでくれた。
ただ出たが最後、他の人にも
握手を求められ暫くして席に
戻った私に柘植くんは笑う。
「シーちゃんらしぃて
エエ光景やったわ。ふふっ。」
彼曰く、それは
"いい意味"でなんだそうだ。
「どうもお喋りなお客さんが
居るらしくてすみません。」
お店のオーナーさんが気を使い
そう云ってコーヒーを
もう一杯づつ持ってきてくれた。
「いいんです、お気遣いなく。」
お店を出て行った客が
近所に言いふらしてたらしい。
2人とも苦笑いである。
「なんだか不思議・・。」
だってラヴリーな
アイドル・キャラでもない。
暗ーい、過去の持ち主だって
皆、もう知っている筈なのに。
「その私を・・
幸せそうなご家族が
応援してくれるだなんて・・。」
「それはァ、シーちゃんが
一生懸命やってますよって所が
伝わってるって証拠やの・・!」
「・・・ほんと?」
「うん、間違いないよ。」
柘植くんの言葉はいつも・・
本当に私を救ってくれる。
「柘植くん・・、
ずっと仲良くしてね。」
「なによ、今更。ヘンな人っ。」
芸能人の話題で、
彼はとっつき難いとか、
変わった人だとか
云われるているけど・・・嘘。
誤解されやすいってだけ・・。
私にはちゃんと解ってる。