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その後
スタッフからの説明で
2作目に変更があったと聞く。

父親役をしていた
中国系の役者が実生活で
何かの犯罪に関わった為に
降板させられたのだとか。

ついでに
急遽筋書きを変えたと言う。

マリにボーイフレンド・・

監督は彼と私に面識が
あるとは知らない。


『シィは人見知りするから
今のうちに打ち解ける様に』


監督の指令だそうだ。
で・・カメラの回る所で
擬似デート? をさせられた。

・・・・笑えない。



そして他のキャストと別れ
あの呉服屋さんを訪ねた。

報道陣が予想通り沢山居た。
アポは勿論入れてある。
お礼とお詫びを兼ねた
ご挨拶だった。


「大層、気に入って頂いて
たとお聞きしております。」


嫌な顔をされるかと思いきや
今朝からずっと

"Siaちゃんのと
同じ着物はありますか?"

と言う問い合わせと注文が
殺到しているらしくニコニコ。

絵師のおじいさんまでが
呼ばれていて御礼を言われた。

最近は着物とも呼べないものが
低価で出回っているお陰で
京友禅の人気は
ずっと下火だったのだそうだ。


「同じ物は展示しようと
思ってたコレだけです。
嫌な物でなければ
どうぞお納め下さい。」

「・・ああ、
そんな・・嬉しいです・・。」


予期せぬ事に前と全く同じ柄
の着物を一式頂いたのだ。

お店にサインを書き、
折角だし"着て下さい"と
言われ店先で記念撮影をした。

待っていた報道陣も
ここぞとばかり群がって来る。

予定より遅れて京都から
帰宅したのは夜8時すぎ。


「遅くなりました・・
ラフィー、ゴメンね・・。」


彼はまだ戻っておらず、
淋しかったのか飛び跳ねる
ラフィに急いでご飯をあげた。

着替えてからバッグから京都の
お土産を出した時に郵便物
の事を思い出して開けてみた。


( DVDディスク? )


お化粧品の宣伝か何かと思い
何気にプレイヤーに入れ、
ラフィの水入れを手に水道へ。


『ジュードのコト・・
ずっと見てたわよ? モトカノ』


え・・?
この可笑しな発音は・・?




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