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『恋愛の記憶だけを意図的に
封印された可能性もある・・』
電話を掛けた恩田さんは云う。
催眠療法で使う手らしい。
それについて彼は、
もしそうなら随分と
"雑な仕事"だとも云った。
中途半端にシアの記憶は
退行したままになってたから。
電話を切ったあと、
リビングに戻るとサクヤは
俺のギターで坂巻の曲を
何気に弾いていてくれていた。
談笑しているだけで
反応はまったくナシ。
ギターを手にしたまま、俺に
首を振ってくる彼に頷く。
「明日、午前中は空いてるし、
一緒に行ってくるよ・・。」
彼女にそれ以外の異常も、
反応も見つからないまま
その夜、皆は帰っていった。
「シアはこっちだ」
「え?」
歯磨きを終えた彼女を自室へ
招き入れた。最初ちょっと
デカいベットを見たせいか、
緊張していた・・。
「手は出さないって
云っても信じられない?」
「そういう・・訳じゃ・・。」
「少しでも一緒に居たい。」
「・・・・。」
ベッドに先に入った俺の隣に
彼女は戸惑いながらも
ゆっくりと入って来た。
「こっち向いて」
俺の声にも肩を揺らしてる。
シアの記憶ではまだ、
"処女"なのだろう。
「今日は楽しかった?」
少し緊張の色が薄くなる。
皆とは久し振りに会ったから。
「ええ、お風呂場に乱入された
のは・・ふふ、本当にビックリ
しましたけど・・楽しかった。」
「そう・・? 良かった。」
「いつか、パジャマ・パーティ
ってやってみたいですね・・。」
少し笑顔になった彼女に
俺は目を細めた。
何歳くらい後退してるのか、
会話で大体の想像は付く。
「ねえ? 今度、
俺とデートしてくれない?」
「デート」
「そう、何所に行きたい?」
ぱぁっと
彼女の表情が明るくなった。
「ディズニー・・いえ、
でも・・マズいでしょう?」
「・・・ちっとも。」
ナンだよ・・ずっと、
行きたいと思ってたのか?
バカみたいだな・・俺・・
今頃そんな事知って、目頭が
熱くなってるなんて・・。
封印された可能性もある・・』
電話を掛けた恩田さんは云う。
催眠療法で使う手らしい。
それについて彼は、
もしそうなら随分と
"雑な仕事"だとも云った。
中途半端にシアの記憶は
退行したままになってたから。
電話を切ったあと、
リビングに戻るとサクヤは
俺のギターで坂巻の曲を
何気に弾いていてくれていた。
談笑しているだけで
反応はまったくナシ。
ギターを手にしたまま、俺に
首を振ってくる彼に頷く。
「明日、午前中は空いてるし、
一緒に行ってくるよ・・。」
彼女にそれ以外の異常も、
反応も見つからないまま
その夜、皆は帰っていった。
「シアはこっちだ」
「え?」
歯磨きを終えた彼女を自室へ
招き入れた。最初ちょっと
デカいベットを見たせいか、
緊張していた・・。
「手は出さないって
云っても信じられない?」
「そういう・・訳じゃ・・。」
「少しでも一緒に居たい。」
「・・・・。」
ベッドに先に入った俺の隣に
彼女は戸惑いながらも
ゆっくりと入って来た。
「こっち向いて」
俺の声にも肩を揺らしてる。
シアの記憶ではまだ、
"処女"なのだろう。
「今日は楽しかった?」
少し緊張の色が薄くなる。
皆とは久し振りに会ったから。
「ええ、お風呂場に乱入された
のは・・ふふ、本当にビックリ
しましたけど・・楽しかった。」
「そう・・? 良かった。」
「いつか、パジャマ・パーティ
ってやってみたいですね・・。」
少し笑顔になった彼女に
俺は目を細めた。
何歳くらい後退してるのか、
会話で大体の想像は付く。
「ねえ? 今度、
俺とデートしてくれない?」
「デート」
「そう、何所に行きたい?」
ぱぁっと
彼女の表情が明るくなった。
「ディズニー・・いえ、
でも・・マズいでしょう?」
「・・・ちっとも。」
ナンだよ・・ずっと、
行きたいと思ってたのか?
バカみたいだな・・俺・・
今頃そんな事知って、目頭が
熱くなってるなんて・・。