+ missing-link +
ジュード達の出番が
回ってきた。
華やかな、派手な演出・・。
Judeは確かに
天性のスターなのだろう。
だが
私の視線の先は地味な方へ。
その裏で
ギターを弾く坂巻の姿。
彼のアコギ以外の姿を
見るのは久しぶりだった。
悪い人ではないのに、
ジュードは彼が嫌いらしい。
だから私にあんな事を
約束させた。
けれど思うことがある。
彼と坂巻は根本的に似ている。
エンターティナーとしては
多少違う種ではあるが、
互いにプロ意識がとても強い。
坂巻は
ノらないと仕事をしない。
良い仕事にならないから。
ツアーにも出ない、
ライブも演らない。
曲も書かないのだ。
他人の曲に
アレンジを入れたり
参加者に名を連ねたり、
事務所に頼まれるまま
彼のバックに入ったのも
坂巻にとって
気分転換でしかない。
堕ちたと云う者もいるが違う。
仕事だと思っていないだけだ。
坂巻孝介の頭の中は音楽だけ。
本当は
誰のものにもならない男。
そんな事、初めて
抱かれた時から解っていた。
なのに貴方は残酷だ。
私を・・
心底突き放したりはしない。
自分の思うまま、
好きな環境を作ってる。
貴方にとって私は直ぐに
剥がせる毛布みたいなもの。
いっそ、もう要らないと
粗大ごみの様にどこかへ
捨ててくれたらいいのに。
貴方を慰める毛布は・・
一枚だけじゃないのを
私、ちゃんと知っている。
それでもまだ___
貴方の元へ帰りたいと思う
私はバカですか?