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_____そして、
ひと仕事終えた俺達。
「シアは?」
「先に行ってるよ。ん・・?」
駐車場まで歩いて行くと、
派手な赤いポルシェが
目に飛び込んできた。
その車の持ち主らしい女。
日焼けしすぎのシスター系。
シアと
ウチの車の前で話していた。
だが・・仲良くはなさ気だ。
近づいて来た俺を見て女は
コビ売り売りに笑ってやがる。
「へー、出世したじゃん!
もうずっとそっちで
可愛がって貰えば?」
ケタケタと品なく笑い、
彼女の肩を叩いた。
「あっ、孝介ぇ!」
白い歯を見せて
後ろからやって来た
坂巻に手を振っている。
ヤツの気まずそうなあの顔。
坂巻を振り向いた
シアの肩が動く溜息。
まるで厄日だな。
何となく、
状況が飲み込めた俺は
彼女に声を掛けて車の
スライド・ドアを開けてやる。
「姫、お先にどうぞ?」
シアは一瞬、手を差し伸べた
俺をキッ!と見たんだ。
泣きそうな・・顔で。
あからさまに急かすより
そうした方が
スマートに収まる。
意を酌んだか
やっと俺の手を借り、
車に乗ってくれた。
・・そうだ、
関わってくれるな。
「じゃあね、オバサン。」
悪い意味、全く歳が判らない。
振り向きザマ、俺は素に戻り
そう云い残して車に乗り込む。
「ちょっ・・!
ダレがオバサンよッ!??」
窓からピストル型の
両手のヒトサシ指を使って
女を指してから発車させた。
キイキイとヤマンバみたいに
みっともなく怒ってやがる。
「すみません、
時間を取らせてしまって。」
「いいよ。
まさか、アレは・・?」
「彼の本を書いてるライターさん。
彼の・・古い方の毛布。」
「?」
古い方の毛布?
よく解らん表現だが、
坂巻を迎えに来たセフレか。
だからそんなに溜息を
吐き散らかしてるんだろ?
「あの女とヤルぐらいなら、
俺は家に帰って蒟蒻を人肌に
暖めようかって思うね・・!」
「プッ・・!」