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「あ、笑った。何でそんな事
知ってるのー? ジュード君、
変な事ばっか教えないでよ?」


マネージャーはそう
突っ込んだが、
それって誰もが知る
少年事情じゃないの?


「違うよ、勝手にマセてんだ」


内心、俺は
彼女が笑った事でホッとする。

シアは
下ネタで笑ってしまった事が
恥かしかったのかプイと
窓の方に顔を向けてしまってた。


「時々ああやって迎えに来て
お二人で出掛けられるんです」


遠くを見る無表情な顔が
窓に映ってる。



___ 比にもならないよ。

お前の方がずっと綺麗だ。



相手はライターだろ?
そんなの十中八九、
お義理に決まってる。

でも今頃どっかのベッドで、
あの女と上になり下になり
腰振ってんだなんて
思ったらもう・・

笑えないよな。


「・・・なんで切るの?」


思い出したかに
大きなバッグから携帯を
取り出し、電源を切っている。

どこか
ホッとしたみたいだった。


「節電です」

「・・・?」


その後、
インタビュー取材を終え
ウチに戻ったのは
夕方6時を回ってた。

たまには
ゆっくりするのもいい。

シアは溜まっている筈の
洗濯物を洗いに
ランドリールームへ行った。

俺は冷蔵庫から
水のペットを取って
ソファに腰を降ろした所だ。

ふと、
洗物のタオルなどを
取り出した後の
あの大きな目の前のバッグ。

シアの
パステルピンクの携帯が
チラリと覗いてる。

俺のと同じメーカーだ。

そう云えばいつも一緒なので
彼女のメアドも
その番号も知らない。

何気にそれに手を伸ばし、
電源を入れてみた。

すると途端に着信音が鳴り、
つい慌てて
咄嗟に取っちまったんだ。


「・・・・・!?」


耳を当てるとガサガサと
何か当たってる様な雑音。



『アッ、アッ・・! アアッ!
もっと・・! 孝介ぇっ・・!』



ピッ!


如何わしい女の喘ぎ声。

___ 醜悪極まりない。



切らなければ、
延々と聞かされるんだろう。



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