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「いい・・? 彼女が出てくる
まで絶対、バスルームには
近寄らない様に・・ね!」
「イエッサー!」
「ザルはそこじゃない、下だ」
ビチンッ・・!
「イタッ!! ひぃぃぃー、
アンタは鬼じゃー!」
後片付けで、
台所用品の収納場所を
ザッと教えてやったのに
まだ迷ってやがる。
いちいち片付けながら
俺をチラチラ見て顔色を
見つつ、鍋などをなおしてた。
俺はただ微笑みを浮かべ、
黙っているだけなので
那須如きにその表情が
読めるはずも無く。
間違えると後に座ってる
俺から輪ゴムをビシビシ
飛ばし当てられるのだ。
「なんか、楽しそうですね。」
「楽しくねえって!!」
「やってみる?」
「すなっ!」
風呂上り、戻ってきた
パジャマ姿の彼女を呼び寄せ、
輪ゴムの飛ばし方から
教えてやった。
早速、菜箸のなおし場所も
忘れたのか右往左往して
アチコチ見回ってる。
「ほら、やってみて。」
「あ゛~!! アンタは天使の
皮を被った鬼、悪魔、
人でなしじゃー! 痛イッ! 」
ビチンッ・・!
「わあ、飛んだ。」
「わあ、飛んだ。じゃねぇ!
シーちゃん! オイタはダメ!」
那須、
彼女が少し笑ってくれたぞ。
Mのクセに
ギャアギャア云うなよ。
来た甲斐あったじゃない。
・・GOOD JOB!
「いいんだよ、自分の事は
自分でさせなきゃダメだ。」
「じゃあ明日からそうします。
・・この扉は?」
奴が風呂に
入った頃を見計らい、
冷えたシャンパンと
グラスを二つ持って家の
一番奥にある非常口のドアの
鍵を開けさせていた。
屋上に続く扉だ。
階段を先に登らせると
彼女が驚きの声を上げた。