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「_______ 大きいお月さま」
「・・満月は好き?」
あんまり綺麗だったから
お月見でもしようかと思って、
マットの用意だけは
してあったんだ。
「ええ、大好きです。」
「・・俺も。じゃあ、
煩いのは放っておいて
ノンビリするとしよう。」
ポン、と栓を飛ばし、
彼女に注いでやる。
わざと距離を取って
マットに胡坐をかいていた。
そうして、彼女の警戒心を
解こうと思って。
「ホントはこんなの
飲んじゃダメなんだよ?」
「でも、おいしい。」
ペタリと座り、グラス片手に
シアは月を見上げてる。
月明かりで
彼女は余計白く見えた。
俺は寝そべって
その膝を
有無言わせず借りて枕にする。
知らないフリをしようとする
その頬を真下の俺に向けさせた。
「"帰りたい"って声がする」
「月___ ?」
「いいや、愛してる男の所へ」
「・・・・」
「なぜ・・坂巻なの?」
俺は手を放してやり
気長に答えを待った。
ボトルを手に取り、
下に置かれた
彼女のグラスをまた満たして。
「確率・・・?」
彼女がやっとぽつり、呟いた。