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( 売春・・・? )


そう推察するに
十分な台詞だろう。

いや、
今日知り合ったばかりの俺に
そんなワケはない。

それに女には困っていない。
その位、解っている筈だ。



「坂巻さん、冗談キツイな。」

「旬な男に誘われて喜ぶさ。」



俺は正直な所、
彼らの様に音楽が認められて
メジャーになった訳じゃない。


ポッと出の、彼らなんかには
軽視されがちな
超・ビジュアル系だ。

"売れている"

それだけの自分を知っている。
偉そうに説教タレる気も、
非難するつもりも毛頭ないが・・。


「ウチに来た、お土産
代わりに持って行けば?」

「・・・。」


今は関係なく、段々と・・
この男をただ一発、
思いッ切り・・!
殴ってやりたくなった。


____ しかし、我慢は必要だ。



「土産に泣かれちゃ困る」

「彼女? 何で泣くんだい。」


だけど、

踏ん反り返ってたソファで、
ズボンのポケットに
突っ込んでいた俺の右拳は
硬くなる一方だ。

サングラスの下の
目も殺気の光を放ち始めた。



「2、3日構わないよ?」



レンタルのDVDみたいに。

芸能界も長くなると、
こんな風に・・
女を
貸し出せる様にもなるのか。

この世界の何が
彼をここまで腐らせたのか。

溜息しか出ない。



____もう、限界だ。






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